終活の一環として、生前メッセージ映像を残したい。そう考えたとき、最初に気になるのは「いくらかかるのか」ではないでしょうか。
エンディングノートや遺言書と違い、映像の制作には撮影や編集といった専門的な工程が含まれるため、費用の見当がつきにくいものです。ネットで調べても、会社ごとにプラン内容が異なり、単純な比較が難しい。
この記事では、生前メッセージ映像の料金相場を正直にお伝えしたうえで、何にお金がかかるのか、そしてどういう基準で選べばよいのかを整理します。
生前メッセージ映像の料金相場
まず、現在サービスを提供している主な事業者の料金帯を一覧にまとめました。
| サービス名 | 料金帯(税込目安) | 主な特徴 |
|---|---|---|
| メモリアルムービー系各社 | 2万〜10万円 | 写真スライドショーが中心。葬儀後の追悼用途が多い |
| HAPPYサポート | 8.8万〜33万円 | 終活専門。撮影+編集のパッケージ |
| 結い言(ゆいごん) | 10万〜35万円 | インタビュー形式。テレビ局出身者による撮影・編集 |
| 自分史ビデオ | 15万〜43.5万円 | 半生を振り返るドキュメンタリー型。長尺対応 |
ご覧のとおり、本格的な生前メッセージ映像の相場は、おおむね10万〜35万円です。写真のスライドショーに音楽をつけるだけのサービスであれば数万円から対応可能ですが、ご本人が実際にカメラの前で語り、それをプロが編集して作品に仕上げるタイプのサービスは、10万円台からが一般的です。
何にお金がかかるのか——費用の内訳
「映像を1本撮るだけで、なぜ10万円以上かかるのか」。そう感じる方もいらっしゃるかもしれません。
実際には、カメラを回している時間は全体のごく一部です。生前メッセージ映像の制作には、大きく分けて3つの工程があり、それぞれに専門的な時間と労力がかかります。
企画・事前準備
ご本人のお話を伺い、何を、誰に、どんな形で伝えるかを一緒に考える段階です。ヒアリング、構成の設計、質問リストの作成などで、おおよそ5〜8時間。ここを丁寧に行うかどうかで、映像の仕上がりは大きく変わります。
撮影
機材のセッティング、照明・音声の調整、リハーサル、本番撮影、片付けまでを含めると、半日から丸1日。撮影そのものは1〜2時間でも、準備と撤収に同じくらいの時間がかかります。
編集・仕上げ
撮影した素材から不要な部分をカットし、構成を組み立て、テロップやBGMを加え、色味や音声を調整する。ここが最も時間のかかる工程で、10〜15時間は珍しくありません。「観返したくなる映像」に仕上げるための、目に見えにくい手仕事です。
これらを合計すると、1本の映像制作に延べ20時間以上がかかるのが一般的です。映像の「見えない裏側」には、それだけの時間と技術が詰まっています。
葬儀費用と比べてみると
ここで少し、別の角度から費用を考えてみます。
鎌倉新書が2024年に実施した「お葬式に関する全国調査」によると、葬儀費用の全国平均は約118万円です。基本料金、飲食、返礼品などを含めた総額です。
生前メッセージ映像の費用は、その1割以下。
葬儀は大切な儀式ですが、それは残された方々のためのものです。一方、生前メッセージ映像は、ご本人の声と表情と言葉を、そのまま未来に届けるものです。手紙では伝わらない声のトーン、表情の温かさ、言葉を選ぶときの間——それらを遺すための費用として、10万〜35万円という金額をどう感じるかは、人それぞれだと思います。
ただ、一つ確かなことがあります。葬儀の後に「もっと話を聞いておけばよかった」と思っても、声は戻らないということです。
選び方のポイント——料金だけで決めない
料金相場がわかったところで、次に大切なのは「どう選ぶか」です。金額だけでなく、以下の4つのポイントを確認することをおすすめします。
1. 撮影形式——自撮り型か、インタビュー型か
低価格帯のサービスには、スマホやタブレットで自分で録画する「セルフ撮影型」もあります。手軽な反面、何を話すかはすべて自分で考えなければなりません。一方、プロが対面でインタビューする形式では、問いかけに答えるうちに、自分でも予想していなかった言葉が自然と出てくることがあります。
どちらが良い悪いではなく、「自分一人で話しきれるかどうか」を正直に考えてみてください。多くの方は、聞き手がいるほうが、伝えたいことを伝えやすいはずです。
2. 編集の質——素材のままか、作品になるか
撮影した映像をほぼそのまま納品するサービスと、構成・テロップ・BGMを加えて「作品」に仕上げるサービスでは、ご家族が繰り返し観るかどうかに大きな差が出ます。10年後、20年後に再生されるものだからこそ、「観やすさ」は重要な判断基準です。
3. 保管サービスの有無
DVDやUSBメモリで納品されるだけのサービスもあれば、クラウド上での長期保管やバックアップを提供するサービスもあります。物理メディアは劣化や紛失のリスクがあるため、10年以上の保管体制があるかどうかは確認しておきたいポイントです。
4. アフターフォロー——届けるところまで設計されているか
映像は、作って終わりではありません。「いつ、誰に届けるか」まで設計されているサービスであれば、ご本人が亡くなった後に、ご家族のもとへ映像が届く仕組みが整っています。遺された方が存在を知らないまま再生されない映像は、遺していないのと同じです。
結い言の3つのプラン
参考として、結い言(ゆいごん)が提供している3つのプランをご紹介します。
ことのは——10万円
大切な人に遺す1本のメッセージ映像。葬儀の場で流したり、遺言書に添えたり。「まず一本、声を遺しておきたい」という方のためのプランです。インタビュー形式で丁寧にお話を伺い、プロのカメラマンが撮影・編集を行います。
こころの定期便——20万円
5本以上の映像を制作し、ご家族へ指定のタイミングで届ける配信型プラン。命日、誕生日、お盆——大切な日に、故人からのメッセージが届く。10年間のクラウド保管込み。遺された方の心に寄り添う、グリーフケアとしての映像です。
ふりかえり——35万円〜
半生を振り返るドキュメンタリー作品。幼少期から現在まで、写真や映像、インタビューを交えて一つの物語に編み上げます。「自分の人生を、自分の言葉で語り遺したい」という方に。
いずれのプランも、テレビ局(鹿児島放送KKB)出身のカメラマンがインタビュー形式で撮影し、放送品質の編集で仕上げます。売り込みではなく、ご自身に合った形を一緒に探すところから始めますので、プランに迷われている方もお気軽にご相談ください。
声と表情は、手紙にならない
費用や選び方について、できるだけ正直にお伝えしてきました。
最後に一つだけ、付け加えさせてください。
手紙は、何度でも書き直せます。でも、今日の声で、今日の表情で語る言葉は、今日しか録れません。一年後には声が変わっているかもしれない。五年後には、話せなくなっているかもしれない。
生前メッセージ映像は、「終わりの準備」ではなく、今の自分を大切な人に贈る行為です。その費用は、未来の家族への、静かな贈り物の値段なのだと思います。
結い言(ゆいごん)は、合同会社トルアスが運営する生前メッセージ映像サービスです。テレビ局出身の代表・大平健人が、インタビュー形式で丁寧にお話を伺い、ご家族が何度も観返したくなる映像作品に仕上げます。鹿児島市を拠点に九州全域対応。詳しくは yuigon-syukatsu.com をご覧ください。